高校認定試験とは?高卒資格との違いや進学・就職への影響を解説
2026.06.30
高校に進学しなかった、または高校を中退した人が「高卒の学歴がほしい」と考えたとき、まず候補にあがるのが高卒認定試験です。
しかし、高卒認定試験とは、高校を卒業していない方が高卒と同等の学力を証明できる国の制度ではあるものの、高等学校卒業資格 (高卒資格)ではありません。
本記事では、高卒認定試験とはどんな制度なのか、高卒資格と何が違うのか、進学や就職にどんな影響があるのかを解説します。
高卒認定試験とは?

はじめに、高卒認定試験とはどのような制度なのかを確認していきます。
高卒認定試験の概要や受験資格、合格後にできることを整理すると、制度の全体像がつかめるでしょう。
高卒認定試験の正式名称と制度の概要
高卒認定試験の正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」です。
文部科学省が実施している国が定めた試験で、以前は「大学入学資格検定(大検)」と呼ばれていましたが、2005年に現在の名称に変更されました。
高卒認定試験に合格すると、「高校卒業者と同等以上の学力がある」と認定されます。
合格後は大学や専門学校への受験資格が得られるほか、各種国家資格の受験要件を満たすこともできます。
ただし、高卒認定試験とは、あくまで「学力を認定する制度」であり、合格しても「高卒」の学歴が付与されるわけではないので注意が必要です。
高卒認定試験の受験資格と試験の概要
高卒認定試験の受験資格は、満16歳以上で高校を卒業していない方です。そのため、高校を中退した方だけでなく、中学校卒業後に高校へ進学しなかった方も対象となります。
試験は年2回、8月と11月に実施され、2026年度の場合、第1回は8月6日・7日、第2回は11月7日・8日の日程の予定です。
高卒認定試験の会場は各都道府県に1か所ずつ設けられており、本籍地以外の会場でも受験可能です。
試験科目は、2026年度から「情報」が必須として加わり、国語・数学・英語・歴史・地理・公共・理科・情報の中から、選択する組み合わせにより9〜10科目を受験します。
科目数は多いものの、すべての科目に一度で合格する必要はなく、合格した科目は次回以降の試験で免除されるため、複数回に分けて少しずつ合格を積み重ねる方も多くいます。
解答形式はすべてマークシート方式で、各科目の合格ラインは100点満点中40〜50点程度なので、全科目合格者は約45%前後ですが、1科目以上に合格した人まで含めると合格率は90%を超えます。
高卒認定試験に合格するとできること
高卒認定試験に合格する最大のメリットは、大学・短期大学・専門学校の受験資格が得られる点です。
大学などへの進学を目指す方にとって、高卒認定試験とは受験への入り口を開く制度と言えます。
また、高卒認定試験に合格することで、一部の国家資格や公務員試験の受験資格も得られるので、看護師や保育士などの資格試験を目指したい方にとっても、重要な一歩となるでしょう。
なお、就職の場面では、高卒認定を「高卒と同等」として扱う企業も一定数存在しますが、企業によって対応が異なるため、この点については次のセクションで詳しく触れます。
高卒認定試験と高卒資格の違い

高卒認定試験の詳細をお伝えしたところで、続いては、高等学校卒業資格(高卒資格)との違いの紹介です。
高卒認定資格と高卒資格は混同されがちですが、制度の性質が異なり、進学や就職への影響も変わってきます。
最終学歴の違い
高卒認定資格と高卒資格の最も大きな違いは、最終学歴に反映されるかどうかです。
高卒資格を取得した場合、最終学歴は「高等学校卒業」となる一方、高卒認定試験に合格しても、最終学歴は「中学校卒業」のままです。
高卒認定試験とは学力を認定する制度であり、学歴を付与する制度ではないという点をしっかり理解しておく必要があります。
もちろん、大学や専門学校へ進学して卒業すれば、その学校が最終学歴になりますが、中退した場合は学歴が「中卒」に戻る点に注意が必要です。
進学への影響
進学を希望している場合、高卒認定試験と高卒資格のどちらを選んでも大きな影響はありません。
進学が目的の場合、高卒認定試験に合格すれば大学・短大・専門学校の受験資格が得られるため、進学の道がしっかり開きます。
通信制高校の卒業には最短でも3年かかりますが、高卒認定試験なら半年程度で合格を目指すことも可能なので、仕事をしながら大学進学を目指すなら高卒認定試験の方が取得に時間がかからないでしょう。
ただし、大学を受験するには年齢制限があるので飛び級というようなことには利用できません。
なお、注意したいのは進学先を中退する場合です。高卒認定試験に合格していたとしても、進学先を中退すると、最終学歴が「中卒」に戻ってしまいます。
一方で、高卒資格があれば、大学を中退しても最終学歴は「高卒」のままなので、就活を行う際に応募できる企業が増えるでしょう。
就職への影響
就職の場面では、高卒認定試験と高卒資格の違いがより大きくなります。
例えば、求人票に「高卒以上」と記載されている場合、高卒認定試験に合格しているだけでは応募できないことがあります。
現在は高卒認定試験合格を「高卒と同等」と認める企業も増えてきていますが、扱いは企業によって分かれるため、応募前の条件確認が必須となるでしょう。
また、公務員試験では、高卒認定試験合格が受験資格として認められるケースが多く見られるため、就職の幅を広げる手段としても役立つ制度といえます。
とはいえ、就職で学歴を確実に活かしたいなら、高卒資格を取得しておくほうが応募できる企業の幅が広がるのは事実なので、就活を考えるなら高卒資格を得るのがおすすめです。
高卒認定試験と高卒資格の違いを比較表で整理
ここまで、高卒認定試験合格と高卒資格の違いをお伝えしてきました。進学や就職への影響を含めて、両者の違いは以下の通りです。
| 比較項目 | 高卒認定試験 | 高卒資格(高校卒業) |
|---|---|---|
| 最終学歴 | 中学校卒業(変わらない) | 高等学校卒業 |
| 大学受験資格 | 得られる | 得られる |
| 就職時の扱い | 企業により異なる | 「高卒以上」に該当 |
| 取得にかかる期間 | 最短半年程度 | 最短3年(通信制高校) |
高卒認定試験と高卒資格には明確な違いがあり、何を目的とするかによって選ぶべき道は変わってきます。
高卒認定試験が向いている人

高卒認定試験合格と高等学校卒業資格(高卒資格)取得のどちらを目指すか悩む人も多いと思います。
ここでは高卒認定試験がどのような人に向いているかを解説していきます。
できるだけ早く資格を取得したい人
通信制高校が卒業までに最短でも3年かかる一方、高卒認定試験なら最短半年程度で全科目の合格を目指すことも可能です。
進学が目的の場合は、高卒認定試験に合格してしまえば、すぐ大学受験や専門学校の入試対策へ移れるため、高卒認定試験は最短ルートになり得ます。
特に、社会人として働きながら大学進学などを目指すなら、高卒認定試験のほうが費用的にも時間的にも負担が少なくなるでしょう。
独学で継続して勉強できる人
高卒認定試験の勉強を独学で進めるなら、ゆっくりでも常に継続して学習に取り組むことが大切です。
高卒認定試験は高校で学習する基本的な問題が出題されますし、合格のハードルも高くはありませんが、複数科目を計画的に勉強する必要があります。
もちろん、塾や予備校などでサポートしてもらうことも可能ですが、「費用面の負担が少ない」という高卒認定試験のメリットがなくなってしまう点は注意しておきましょう。
高卒認定試験の取り方

ここからは、高卒認定試験の取り方の具体的な手順を解説していくので、一緒に流れを整理していきましょう。
出願から合格までの流れ
高卒認定試験の出願から合格までの流れは以下の4ステップです。
- 願書を入手する
- 必要書類を揃えて出願する
- 試験を受験する
- 結果を確認する
出願の締め切り間近に焦らないように、本記事を参考に年間の計画を立てておきましょう。
※出願期間や試験日は年度ごとに変わりますので、受験を決めたら文部科学省の公式サイトで最新情報を必ず確認してください。
①願書を入手する
高卒認定試験を受験するには、文部科学省のWebサイトでネット予約するか、各都道府県の教育委員会で受験案内(願書)を受け取る必要があります。
2026年度の場合、第1回高卒認定試験の受験案内配布は4月上旬から、第2回の受験案内配布は6月上旬からWebサイトで始まっています。
②必要書類を揃えて出願する
願書を手に入れたら、高卒認定試験の受験案内に記載された書類を準備し、出願期間内に提出します。
受験料は科目数に応じて4,500円・6,500円・8,500円のいずれかで、収入印紙で納めます。
③試験を受験する
問題なく出願できたら、8月または11月の試験日に、選んだ会場で高卒認定試験を受験します。
受験する科目数によっては、2日間にわたって試験が行われますが、1回に全ての科目を受ける必要はないので自信のある科目に絞るのもおすすめです。
また、高校で履修済みの単位がある場合や、英検・数検などの検定資格を持つ場合は、該当科目が免除されることもあります。
さらに高校を中退した方は、在学中に取得した単位を活かせる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
④結果を確認する
高卒認定試験の受験後、文部科学省から結果が通知されるので、全科目に合格すれば晴れて合格者として認定されます。
もちろん、不合格になる科目もあるかもしれませんが、何度でも挑戦できるので自分の弱点を対策した上で次の試験に望みましょう。
高卒認定試験に向けた勉強の選択肢
高卒認定試験の取り方として、勉強方法は大きく3つに分かれるので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
| 学習方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 独学 | 市販の対策参考書や過去問を使用するので、費用が安く抑えられる | ・自分でしっかりと学習管理を行わなければならない |
| 塾・予備校の利用 | プロの指導を受けつつ、学習を管理してもらえる | ・受講科目が多い場合は費用がかさむ ・受講するための時間が必要になる |
| 通信講座の利用 | 学習をある程度、管理してもらえる | ・申し込む通信講座によっては費用がかさむ ・学習を維持できないと教材がどんどん溜まってしまう |
どの学習方法にもメリット・デメリットはあるので、自分自身の経済状況や性格を加味して選んでみましょう。
就職・進学で学歴を活かすなら通信制高校もおすすめ

就職や進学で「高卒」の学歴をしっかり活かしたい場合は、通信制高校で高卒資格を取得する方法もあります。
通信制高校を卒業すれば、全日制・定時制高校を卒業するのと同じ「高等学校卒業」の学歴が得られますし、自宅学習が中心で自分のペースで学べるので、仕事や生活との両立も十分に可能です。
通信制高校での学習はレポート(添削指導)の提出がメインとなり、スクーリング(面接指導)や単位認定試験(試験)も行われます。
通信制高校も学習の自己管理が必要にはなるものの、学校もサポートしてくれるので、独学で高卒認定試験の合格を目指すよりも、着実に学習を進められるでしょう。
通信制サポート校を活用すると安心
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一人での学習に不安がある方も、通信制サポート校を利用すれば、安心して通信制高校の卒業を目指せる環境が整います。
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まとめ|高卒認定試験を正しく理解して自分に合った選択を
高卒認定試験とは、文部科学省が実施する高校卒業者と同等以上の学力であることを認定するための試験です。
合格すれば大学や専門学校への進学が可能ですが、高卒の学歴が得られるわけではなく、最終学歴の点で高等学校卒業資格(高卒資格)とは違いがあります。
高校卒業という学歴も必要という人や独学で勉強を進められないという人には、通信制高校に通って高卒資格を得るという選択肢もおすすめです。
通信制高校を検討する場合は、通信制サポート校「武田高等学院」の利用も併せて検討してみてください。
それぞれの学習理解度や志望大学に合わせた最適なカリキュラムで、回り道をせず効率良く大学合格をめざしましょう!